心とは(二)

 

会主 丸山維敏

 

合氣道唯心会会員の皆さん

 

「明けましてお芽出度う御座居ます」

 

今、日本中がコロナ渦で大騒ぎをしております。

政府の発表により、GO TO トラベルが中止となり、実家に帰りたくとも帰れない人。

正月休みを利用して旅行を企らむでいたのに行けなくなった人。さまざまだと思ひます。

 

これで思ひ起こすことは、旧約聖書の「出エジプト記」と「ヨブ記」です。

 

かつてユダヤ人は、エジプトに奴隷として住んでいました。ひと口に奴隷と云っても、鞭打たれるようなものではなく、今で云う下級国民として労働に従事していただけで、自分達の住む家、給金は保証されていました。だから彼等は彼等なりに幸せだったのです。

 

つまり、今の日本人がのぞむ「安心、安全、幸福」にひたり切っていたのです。

 

この言葉で思ひ出すのは動物園の動物達です。あの檻に入れられた動物達は、外敵に襲はれる心配は無く、食事も自分達の好きなものを充分に味われるのです。勿論医療の方も充分に配慮されております。

 

如何ですか。今の日本人とよく似ているでしょう。

 

私の知人がかつてアフリカのケニアを旅行した時、多くのライオン、豹、その他の獣達に遇ひました。その獣達の目付きの鋭どさ、動きの敏捷さに圧倒されたそうです。

 

それに引き替え、動物園のライオン他の獣達の生氣の無さ。ゴロンと横になって、目の鋭どさなど何処にあるの、と云ふ様です。

 

知人はその後、全ての動物園に行くのを止めました。「生きながらの死骸を見たくない」。

 

さて、「安心、安全、幸福」に浸り切っていたかつてのユダヤ人達は、今の日本人に欠けているものを一つ持っていました。

 

それは「信じる」といふことです。

 

人間が他の動物達と違うところは「信じる」という心の働きです。

 

「汝自身を知れ」という言葉があります。それは自分が「知らないといふことを知る」ことなのです。

 

真の「知者」とは神のことだけを云ひます。

 

では、「神」とは何か。私は萬物を創った宇宙エネルギーである。と記しました。私が親しくお付き合ひ頂いている執行草舟先生は「神とは、この宇宙の根源的実在であり、我々の生命をこの地球に送り込んだ実体のことである」と定義づけられています。

 

いずれにせよ、ユダヤ人達は「神を信じる」心をもっていました。否、彼等は何の不自由も無い生活に一時、神を忘れてしまったのです。そこへ神の使いモーセがあらわれたのです。当時のユダヤ人はエジプトに住み、贅沢を覚えてからはや四百年が経過していました。この長い安住の歴史を断ち切るにはエジプトの地を捨てるよりほかはない。そこでモーセは約二十万人位といはれたユダヤ人を引き連れて荒野に出たのです。これは単なる物語りではなく実話なのです。

 

これにより、ユダヤ教が出来、それに続いてキリストが生まれ、西洋文明が生まれました。また、それに関連してイスラム文明も生まれ、全てが現代まで伝承されることとなったのです。

 

話が長くなりますので、今回はここまでし、続きは次回に致します。

 

只、ひとつ大事なことを記します。

「我々の生命をこの地球に送り込んだ実体」すなわち解りやすく云えば両親です。その両親に生んでいただいた恩も、育てていただいた恩も忘れ、あまつさへ「神(父・母)なんかいるものか、オカルトじゃあるまいし」という輩に明日はないと云ふことをここにはっきりと明言します。