会主 丸山維敏
大正・昭和に掛けての彫刻家で、平櫛田中という方が居りました。高村光雲に師事し、木彫りの伝統的技法を保持しながら、写実主義的描写を進められた方です。日本芸術院会員で東京芸術大学教授などを歴任されました。明治五年岡山生まれで、昭和五十四年に百七才でお亡くなりになりました。お亡くなりになる直前まで、お元氣にノミを振るわれたと聞いております。
その先生のお言葉に「六十七十は、はなたれこぞう。おとこざかりは百から百から」というのがあります。
百才以上で、現役で元氣一杯になるにはどこを鍛えたら良いのでしょう。
過去のそういった方々を見ますと、まず「脚」だと思います。皆様全て脚がお丈夫でした。そして心の持ち方です。
そうかと言って、毎日何時間も歩いたり走ったりしては、 三日坊主で終ってしまいます。
また、心を鍛えると言って何時間も毎日坐弾を組むことなど、無理な話です。
「塵も積もれば山と成る」ということわざがあります。
そこで私は毎日五分で脚が鍛えられる法を考えました。名付けて「鍛脚四法」と申します。しかし、これを書面で記すのはむつかしいので、毎月一回私が行っている東京本部稽古に出席されている方々に機会があったらお尋ねください。遠くは甲府、大磯、大阪、横浜からも見えられています。
次に、心の方は「鍛心四則」と名付けて、誰でも理解できるように、あえて「氣」という言葉を使わずに創りました。
それは次の四つです。
鍛心四則
一、私は物事を前向きに考える
一、私は感謝の心を忘れない
一、私は愚痴をこぼさない
一、私は明かるく謙虚である
以上の四つです。これを潜在意識に入るまで、独り言のようにブツブツとつぶやいてください。ふと、「ああいやになった」という氣が湧いたら「いや待てよ」と上記の鍛心四則を思い出してください。
もうひとつ。これは前記の平櫛田中先生がいつもつぶやいていたお言葉を、私なりに変えてみました。ですから、平櫛先生と私の合作と言えましよう。
丹田丹田 また丹田
実践実践また実践
修練修練また修練
やってやれないことはない
やらずにできるわけがない
今やらずしていつできる
私がやらねば誰がやる
以上です。韻を踏んだやさしい言葉です。
そして、「やろう!」という強い意志が湧き出てきます。
一言一句間違わずに覚えて口ずさんでください。
それでは会員諸兄姉の皆様、明かるく嫌虚に生きて生きて生き抜いてください。
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